ビーフンは中国で発祥した米のデンプンを原料としてつくられた乾麺で、古くから米を栽培する東南アジアの国々で食べられていて、日本でもよく食べられる人気の麺です。
一方フォーは米粉からつくられた平打ち麺で、本場ベトナムを代表する国民食ですが、最近日本でも健康食ブームに乗ってジワジワと人気がでてきたきしめんのような麺です。
ここではビーフンやフォーの違いについて、また、それぞれ原料や作り方の違いや美味しい食べ方などについて詳しく解説していきます。
ビーフンとフォーの違いは何?
ビーフンとフォーは見た目もほぼ同じであり、原料は同じ米からつくられているので大きな違いはありませんが、強いて言えば麺の作り方や見た目の形状に違いがあります。
ビーフンは中国語で「米粉」と書かれ、米から採ったデンプンを原料としてつくられますがフォーの原料は米粉と水だけでつくられ、どちらも主原料は米なのです。
ビーフンとフォーの原料の違いは?
ビーフンはもともと中国発祥の麺で米のデンプンを原料としてつくられた乾麺であり、米を栽培するマレーシアやインドネシアやミャンマーなど東アジア地域で食べられていました。
日本では春雨のような細い形の麺が定番ですが、アジアの地域では太い形の麺や平べったい形をしているものなど形はさまざまなものがあるようです。
一方、フォーは米粉と水だけでつくられた透き通った平打ち麺で、本場ベトナムでは忙しい朝などは町の屋台や食堂のあちこちで食べられているベトナムの国民食なのです。
ビーフンの発祥地は中国でフォーの発祥地はベトナムですが、主原料はどちらも米なので、それぞれ似たかたちをした白濁した麺のように見えます。
近年、アメリカやヨーロッパなどでもビーフンの人気が出てきていますが、小麦を使わないグルテンフリーの食材として注目されるようになりました。
コロナ前にベトナムを訪れた際、屋台や食堂の前の道路まで簡易テーブルや椅子を並べ皆でワイワイとフォーを美味しそうに食べる姿はとても活気があり元気をもらえました。
ビーフンとフォーは同じ米を原料としてつくられているため、作り方は違うものの見た目は同じで、強いて違いと言えば麺の形状と食べ方が違うぐらいでしょうか。
ビーフンとフォーは麺のつくり方が違う!
ビーフンとフォーは基本的な原料はほぼ同じ米ですが、つくり方が明らかに違います。
ビーフンのつくり方は、米粉と水を練り合わせて熱を加えた生地を小さな穴があいた容器に入れ、穴から押し出すようにして麺をつくります。
ところてんのように、穴から⾼圧で押出して麺をつくり成形し乾燥させます。
その後の工程の違いにより、蒸したものは「細ビーフン」「炊粉」、熱湯で茹でたものは「太ビーフン」「水粉」などと呼ばれるそうです。
一方フォーのつくりかたは、米粉を水で溶いてペースト状にしたものを熱した金属板へ流し込み、端から細く切っていくため平打ち麺のような形状となります。
できあがりは日本のきしめんによくにています。
ビーフンはところてんのように穴から押し出してつくるので、そうめんのように細くて丸い形ですが、フォーは生地を伸ばして切るので見た目はきしめんと似た形をしています。
ビーフンとフォーは原料は同じでも麺の作り方が異なっていて興味深いところです。
ビーフンとフォーの美味しい食べ方は?
ビーフンは日本では野菜や肉類魚介類といっしょに炒め「焼きビーフン」として食べますが中国では油で揚げて料理の付け合わせとして食べられることが多いようです。
ビーフンやフォーは乾麺なのでキッチンにいつでも常備しておくことができ、食べたいときにささっと調理することができるので、小腹を満たすにはとても便利で魅力的な食材です。
ここではビーフンやフォーの特徴を生かしたおすすめの調理方法を紹介していきます。
ビーフンの美味しい食べ方は?
ビーフンの美味しい食べ方と言えば、やはり「焼きビーフン」でしょう。
ビーフンは加熱しても歯ごたえが残るので炒め物との相性が良く、お肉の旨味を含んだ油を吸収してくれるので油分が多い豚肉などと組み合わせた焼きビーフンが最適でしょう。
焼きビーフンに豚肉や卵を加えた「豚玉焼きビーフン」などはお子様に大人気です。
その他の焼きビーフンは、エビなどの魚介類を加えたもの、塩こうじで炒めたもの、カレー味を加えたものなど、さまざまなレシピが紹介されていてとても人気があるようです。
また、汁ビーフンといったラーメンのようなスープに入れたレシピも紹介されていて、最近ではサラダにも使われるなど、幅広く利用価値のある食材として利用されています。
ビーフンを調理する際には乾燥した麺を戻す必要があります。
戻し方はたっぷり沸かしたお湯にビーフンを入れて茹でますが、お湯をグラグラと沸騰させてはダメでフツフツと沸く程度のお湯で茹でるのがポイントです。
茹で時間はレシピごとで異なりますが、焼きビーフンの茹で時間は約4分程度で、和え物やサラダなどであれば茹で時間は約6〜7分程度が目安のようです。
麺を茹でたらザルにあげ水でよく冷やして水気をしっかり切っておくことが大切で、水気を切らないで焼きビーフンなどをつくると、べちゃっとした食感になってしまいます。
また、水切りした後にしばらく麺をおいておく場合には、少量の油をふくませておくことで麺がくっつきにくくなり、あとからの調理がしやすくなるのでおすすめの保存法です。
フォーはスープに入れて食べるのがおすすめ
ビーフンの丸くて細い麺に対し、フォーは平打ちの麺でコシがないのでうどんやラーメンのように、スープに入れて食べるのがおすすめの食べ方だと言われています。
フォーのスープは、牛骨などから取った出汁をベースにしたものと、鶏がらベースのスープにしたものと、大きく分けて2種類あります。
それぞれの出汁から採ったスープの中に麺を入れて、茹でた牛肉を薄く切ったハムのような薄切り肉や鶏肉・タケノコ・ハーブや生野菜などを具材として加えて食べます。
一般に本場とされるベトナムハノイのフォーは、肉の他にはネギを入れる程度のシンプルな盛りつけが多く人気があるようです。
ベトナムの北部では、フォーに加えるのは唐辛子とライムぐらいですが、ベトナムの南部へ行くと、フォーと一緒にさまざまなものが出され自分の好みでトッピングして食べます。
テーブルの上にはドロドロした味噌のようなものやチリソースのようなものが置かれ、自分の好みに合わせでトッピングして食べるようで、北と南の食文化の違いがあるようです。
日本ではフォーが有名ですが、ベトナムでもっとも多く食べられている麺は「ブン」というフォーよりも少し太い麺があるそうで少し意外な気もします。
「ブン」はフォーと同じく米粉の麺だそうですので、別の機会にご紹介していきます。
まとめ
ビーフンとフォーは、どちらも見た目はあまり変わらない麺ですが、原料は同じでも作り方や食べ方に違いがあるので、それぞれの共通点や違いについてまとめてみました。
- ビーフンとフォーの原料はどちらも同じ米である。
- ビーフンの原料は米から採取したデンプンでつくられます。
- フォーの原料は米と水だけでつくられます。
- ビーフンとフォーはそれぞれ食べ方がが違います。
- ビーフンは焼きビーフンや和え物やサラダなどで食べます。
- フォーは牛肉ベースや鶏ベースの出汁に入れて食べます。
以上、ビーフンとフォーの違いについて、それぞれの原料、作り方、食べ方などの観点から違いや共通点についてまとめてみました。