ハンドボールはサッカーとか野球に較べ競技人口が少ないスポーツなので、ハンドボールを身近に感じられるひとはそれほど多くはないでしょう。
私は中学時代ハンドボール部に所属していて、県内でも名の知れた強豪校でしたが、身長が160㎝ぐらいと低く、ある程度の身長が必要なレギュラーにはなれませんでした。
高校に入ると体育でハンドボールの授業がありましたが、そんな私でも経験者だったということもあり、ハンドボールをやったことのない人との差は歴然としていました。
ハンドボールに触れたことがある人でも、体力測定のときの「ハンドボール投げ」ぐらいが関の山で、レギュラーを取れなかった私でも未経験者との差はとても大きなものでした。
試合では、経験者が素人と同じコートにいてはあまりにも不公平とのことで、私はキーパーばかりやらされたのですが、ほとんどのシュートをはじき返すなど一躍ヒーローでした。
中学時代はキーパーの経験はなかったのですが、素人がよくやる別の方向を見ながら反対へ打つシュートなら、コースは簡単に読めるのでほとんど点を入れさせませんでした。
ここでは、ハンドボールで身長の低いキーパーでも活躍できるのかについて解説しながら、キーパーの技術面やシューターとの駆け引きなどの側面からも検証していきます。
ハンドボールのキーパーは身長が低くてもできる?
世界で活躍するプレイヤーは身長2mで体重100kgといった体格はザラで、そんな大男たちのシュートを止めるにはそれなりの体格が必要です。
しかしながら、中には180㎝に満たないような体格のキーパーも活躍していて彼らは身長の差を補えるようなテクニックを駆使して大男たちのシュートを止めているのです。
学生ならば身長2mとまではいかないまでも、コートに立つプレーヤーの身長はそれなりに高くなりますが、大男のシュートに対しキーパーの身長は必要となるのでしょうか。
ハンドボールのキーパーは身長が低くてもできる
身長が低くてもキーパーはできますが、それなりの努力は間違いなく必要です。
キーパーはチームの中でも一番運動能力が高い人が選ばれることが多いとも言われ、上手なキーパーがいるとそのチームは強くなるようで、決してキーパーの身長は関係ありません。
普段の練習においても、キーパーが止めてくれるからこそシュート力が上達するのです。
シュートを打つ側もキーパーに止められないよう、上に打ったり、バウンドさせたり、変化を加えたり、ブラインドシュートを打ったりと、いろいろと工夫するようになります。
キーパーがいかにシュートを止められるかで、またシューターがいかに止められないようなシュートを工夫するかで、チームの成長には大きな影響があるようです。
そのためにはやはりキーパーの技術の向上が不可欠となるのであって、決してただ身長だけの問題ではないのです。
身長が高いだけの理由で選ばれたキーパーは、動きが遅かったり判断が悪かったりすると、そのキーパーの成長はなかなか見込めませんしチームの成長も見込めないでしょう。
ハンドボールで身長が低いキーパーがシュートを止めるコツ
身長が低いキーパーが大男たちの強力なシュートを止めるコツは、しっかりとした位置取り(キーピング)ができるかどうかにかかっています。
キーパーの位置取り(キーピング)とは、シューターの気持を先読みし、シュートコースはどこを狙っているのかを想定したうえで守備位置に立つことです。
シューターはキーパーの位置を見ながら瞬時にシュートコースを決めますが、本能的に入れやすそうなシュートコースを狙ってシュートを打ちます。
キーパーはシューターの気持を逆手に取り、シュートを狙いやすくなるようあえてコースを少し空けて守備位置を取ることを位置取り(キーピング)と呼んでています。
キーパーは、あえて空けたておいたコースへ、シューターが狙って打ったシュートを止めることができれば、これはガッツポーズものなのです。
このような位置取り(キーピング)ができる技術があれば、身長の低いキーパーであっても大男のシュートを止めることは可能となるのです。
ハンドボールで身長が低いキーパーは準備と工夫が必要
大切なのは怖いシュートにも負けない強い気持ちで立ち向かうことではないでしょうか。
大男が打つシュートは誰だって怖いですが、それにも強気で立ち向かう勇気が必要です。
身長の低いキーパーは相手の動きを予測しての準備が必要
ハンドボールに限らずスポーツ全般では、相手の動きを予測し準備することは大切です。
キーパーは相手をよく見ながらシューターの次の動きを予測し、いつシュートが来てもいいように常に体勢を準備しておくことが大切です。
準備が常にできている体勢を作っておくことで、いざシュートが来た時の初動が速くなり、よりシュートを止める可能性が高くなるのです。
具体的には、シューターに対して素早く正面に位置取りすることです。
またシューターに合わせて動くことは勿論大切ですが、特にシューターが持つボールの位置がどこにあるかを常に意識しながら位置取りすることが大切です。
ハンドボールで使うボールは比較的小さく片手でつかめますが、より滑りにくくすため両面テープを貼るなどしてつかみやすくしてるので、自由自在にボールの位置を操作できます。
また、シューターの位置とボールの位置を常に追いかけ、いつシュートが来てもいいような体勢を準備しておくには俊敏な動きが求められます。
身長の低いキーパーでも相手の動きを予測し準備できれば十分対応はできるのです。
身長が低いキーパーは身体を大きく見せる工夫が必要
身長が低いキーパーの位置取りは大切な要素ですが、自分の身体を相手に大きく見せる工夫もシュートを防ぐ大きなポイントとなります。
相手にフリーのシュートを打たれそうな場合には、素早く前に出て手足を大きく広げながらジャンプして相手のシュートコースを絞る動きをすることがあります。
ただゴール前にしがみついて守るだけではなく、向かってくる相手には瞬間的に前に詰め、相手のジャンプに負けないぐらい高くジャンプして、自分を大きく見せる工夫が必要です。
相手もフリーの状態からキーパーが前に出て手足を広げながらジャンプされると、それまで空いていたシュートコースが一気に狭められ、あせってミスすることもあるのです。
身長の低いキーパーであっても、勇気を振り絞って前に出て、手足を大きく広げながらジャンプすれば、相手のシューターにとっても大きな脅威となるのです。
まとめ
ハンドボールで身長の小さいキーパーは活躍できるのかについて、さまざまな角度から解説してきましたが、主なポイントは以下の通りです。
- ハンドボールのキーパーは身長が低くてもできる
- キーパーの出来は位置取り(キーピング)で決まる
- シュートを打ちやすい方向へ誘うことが必要
- 身長の低いキーパーは相手の動きを予測して準備することが必要
- 相手の動きに合わせて俊敏に動くことが必要
- 身長が低くても手足を広げジャンプし大きく見せることが必要
以上、ハンドボールのキーパーは身長が低くても活躍できるかについて解説致しました。